【実例】老親扶養ビザ(特定活動)の条件と取得手順

  • 中国で一人暮らしをしている高齢の親が心配なので、日本に呼んで一緒に生活し、面倒をみたい
  • アメリカに残してきた親が施設に入っているが、ケアが劣悪なので、日本で家族がケアしたい
  • ベトナムで暮らしている親を面倒見てくれる人がおらず、何かあった場合にすぐに駆け付けることができないので、日本に呼んで一緒に暮らしたい

このようなお問い合わせを多くいただきます。

では、本国にいる親を日本に呼ぶためにはどのような条件をクリアする必要があるでしょうか。
外国の両親を日本に呼び寄せ、中長期的に日本で暮らせる老親扶養ビザの取得について解説します。

老親扶養ビザ(特定活動ビザ)とは

母国にいる親を呼ぶためには、一般的にはこの老親扶養ビザを取得します。もっとも、正式には老親扶養ビザという名前のビザがあるわけではありません。

在留資格としては「特定活動」に分類され、在留カードにも「特定活動」と書かれます。

そして、老親扶養ビザは、特定活動の中でも「告示外」特定活動に分類されるため、法務大臣が人道上その他の特別の事情により特に在留を認める場合にのみ許可されます。したがって、取得の要件が公表されておらず、取得が非常に難しいビザになっています。
また、日本の医療費の増大は現在大きな問題になっていることから、医療費の「外国人のタダ乗り」にもつながるこちらのビザは、国として「できるだけ許可を出したくないビザ」でもあります。
そのため、専門家である行政書士でも実際に許可を取得したことがある行政書士はごく一部に限られています。

取得条件

この老親扶養にビザを取得するには、以下の条件があります。

親の年齢

入管は一律に年齢でまず審査しているとされているので、老親扶養ビザを取得する親の年齢は70歳以上でなければ許可の可能性は低くなっています。元気な高齢者も増えてきていることから、最近の傾向としては、75歳未満でも難易度は高い傾向があります。

一方で、65歳~69歳であっても、健康状態、病気の有無、本国のケア施設事情などその他の事情によっては許可される可能性がありますが、かなり難しい申請となることは間違いありません。

健康状態

母国にいる親が一人で生活している上で支障がない場合は、こちらのビザは取得できません。一人では暮らせないような病気があり、日本にいる家族がケアしなければ生活できないような事情がなければなりません。例えば、認知症や、付き添いが必要なほどの歩行困難な病気などです。
高齢者であれば多くの方が抱えている高血圧や軽い腰痛などだけでは、日本でのケアが必要とは判断されません。

健康状態については、自己申告だけでは許可されませんので、そのことを証明する医師の診断書が必要です。母国のかかりつけ医の他、日本の病院でも診てもらい、日本の医師が出した診断書がある方が信用性が高まります。
診断書を出してもらう際は、「常に親族のケアが必須」などと親族の世話がなければ、生活できないような文章を入れてもらえるとよりプラスの資料となります。

他の親族の有無

老親扶養ビザを取得できるのは基本的には、親が一人で暮らしていて、世話を頼れる子供が日本にしかいないという場合です。

母国で他に世話ができる親族がいる場合には、「母国の親族に世話してもらってください」と言われてしまいます。また、日本や母国以外の国に親族がいる場合にも、「なぜ日本に来なければならないのか」ということを問われます。

許可されやすい事例としては、親の配偶者が既に死亡または離婚していて、親族は日本にいる子供だけというような状況が代表的です。
両親を同時に呼ぶという場合は、難易度はさらに高くなりますが、両親がお互いに世話ができないほどに高齢という場合は、許可される可能性があります。

なお、兄弟がいないことの証明は、国によって様々です。兄弟の有無に関しては、日本の戸籍謄本のような公的な証明書がない国も多いため、他の様々な資料によって証明していくことが求められます。帰化をしている子供がいれば、その際に提出した資料を提出することも有効です。

年収(資力)

老いた親を扶養するためのビザですので、十分な扶養能力が必要です。

具体的には、親の生活費を出し、親が病気の場合はその医療費も出すだけの資力が求められますので、扶養人数にも拠りますが、年収500万円以上あることが望ましいです。申請の際には、年収の資料だけではなく、預貯金や不動産資料も提出します。
実子が働いていない等の場合は、扶養者は実子でなく、実子の配偶者でも問題ありません。ただし、実子は身元保証人になることが必要です。

その他

親が一人で生活できないために、日本に呼ぶビザですので、基本的には同居することが必要です。したがって、住居としても一緒に暮らすだけの住居の広さも求められます。

また、日本で面倒をみるために呼ぶビザなので、現実的に面倒が見られる状況でなければなりません。例えば、海外出張が多く、親の面倒をみられる人がほとんど家にいないという状況では許可を得るのは難しいでしょう。

なお、実子は、日本人や永住者でなくても許可は取得できています。

取得のための手順

このビザの取得方法としては、以下の手順になります。

  1. 来日に際して短期ビザ取得が必要な国の方は、短期滞在ビザ申請をします。手順としては、申請書を作成し、その他の必要書類とともに日本大使館に提出し、ビザを発給してもらいます。
    通常、外国にいる外国人が日本で中長期に暮らすためには、在留資格認定証明書交付申請をしますが、老親扶養ビザはこの方法では取得できませんので、注意が必要です。
    当事務所では、短期滞在ビザの取得からサポート可能です。
  2. 「短期滞在」で親に来日してもらった後、「短期滞在」から「特定活動」への在留資格変更申請をすることになります。特定活動ビザの申請には本国の資料も必要になる他、審査期間も長くかかるため、できれば来日前から準備した方がよいでしょう。

老親扶養ビザの取得の際は、本国で用意すべき書類もあり、来日後から準備を始めると在留期限を気にしながらの申請となるので、最悪、書類が十分に用意できない恐れもあります。したがって、依頼される場合は、できれば来日前から相談されることをお勧めします。

当事務所で許可をもらった実例

実例1

中国で一人暮らしをしているお母様(83歳)の特定活動ビザ(老親扶養ビザ)を取得した事例です。
日本で扶養するAさん(長男)は現在は帰化して日本人で会社を経営していました。次男はアメリカで生活していたもののの既に他界しており、扶養できる子供はAさんのみでした。
世帯年収は約500万円で子供と4人家族。お母様は、認知症でした。
兄弟がいないことの書類として、過去の帰化資料を提出するなどして説明し、無事許可を取得できました。

実例2

ベトナムで一人暮らしをしているお母様(72歳)の特定活動ビザ(老親扶養ビザ)を取得した事例です。
日本で生活しているベトナム人Bさん(配偶者ビザ)のお母様ですが、働いていなかったため、その配偶者の日本人夫が扶養者となりました。
年収は約600万円でBさん以外に子供はいません。お母様は、やはり認知症が進行している状態でした。

実例3

中国で暮らしている89歳と90歳の両親二人の特定活動ビザ(老親扶養ビザ)を取得した事例です。
お二人とも日常生活に困難をきたしている病気を持っており、日本で暮らしている二人の子供が、それぞれが扶養者となり申請しました。このように、両親二人であっても、お互い介護ができる状況にない場合には、両親同時に呼ぶことができる場合もあります。

まとめ

老親扶養ビザは、要件がない告示外のビザですので、申請は最も難しいビザの一つとされています。

ご自身で申請を試みたお客様の中には、申請に入管に行ったところ、そのようなビザはありませんといわれ、申請を拒否されてしまったケースや、特に地方の入管の場合はこの申請に不慣れであるため、受け付けてよいのかをその場で長時間協議されたというケースもあります。

実際に申請していても、入管の反応から「あまり許可を出したくないビザ」ということが感じられます。

もっとも、母国に残してきた高齢のお父様・お母様への心配は尽きないと思います。そして、高齢の親が一人暮らしをそのまま続けていった場合、より早く病気が進行してしまったり、倒れた場合に助けることができないといった状況は避けなければなりません。

日本としても、日本に来て日本で活躍してくれている外国人の親をそのような状況に置かれたままにすることは人道に反すると考えています。
したがって、条件に問題がなく、しっかりとした書類を準備できれば、許可を得ることは難しくありません。

当事務所では無料で老親扶養ビザのご相談を受け付けておりますので、日本で一緒に暮らせるよう少しでもお役に立てれば幸いです。

お客様の声

当事務所にご依頼いただき、老親扶養ビザを取得された方の声をご紹介します。

ニスキー様

沖縄県在住のニスキー様ご夫婦のご依頼で、アメリカに住んでいたお母様の老親扶養ビザを取得しました。

本国でのケアが不十分で母の病状が悪化

⽼親扶養ビザ申請経緯について

主⼈の⺟親がアメリカで⼀⼈暮らしが出来ず、アメリカのナーシングホームに⼊所していましたが、劣悪の環境できちんとケアされていないので、⽇本で私たち夫婦が⺟親の⾯倒を⾒ようと話し合いました。

このビザのプロといえる行政書士はなかなか見つからず高額報酬・詐欺にも合ってしまい…

行政書士インターオフィスへのご依頼経緯について

何件もの⾏政書⼠さんにお願いしたのですが、「このビザはとても難しくて、出来ない可能性がある」や「自信がないのでお引き受け出来ない」など何件も断られたり、100万円近い⾼額な⾦額を提⽰されたり、しまいには詐欺にあい、相談料だけ取られ専⾨の⽅からの返事はありませんでした。
そんな中、たどり着いたのが行政書士インターオフィスさんでした。そして「私どもに出来なければ、他の⼈にも出来ません」と⼒強いお⾔葉を頂いたのでこちらにお願いすることにしました。

金額も他より良心的で、集める書類も明確でした

実際に相談してみて

⾃分達夫婦の現状や義理⺟が置かれている状況など詳しく聞き取りしていただき必要な書類なども明確に伝えて頂きとても良かったです。また、⾦額も良⼼的でした。

依頼されてから申請まで

とてもスムーズでした。
書類もしっかり作ってもらい提出するだけにして頂き、私たちは⼊国管理局にただ書類を出すだけでしたのでとても助かりました。(※補足:沖縄の入管提出だったため、ご本人に申請していただきました。東京管轄の場合は、当事務所が入管に申請します。)

不完全な申請をして、無駄に帰国となるのは絶対に避けたかった

⽼親扶養ビザで親と暮らしたい⽅へのアドバイス

このビザはすべての⾏政書⼠さんが出来るとは限らないんじゃないかと思います。
義理⺟は体が不⾃由なので⽇本に⼊国したはいいが、申請が却下されて帰国しなければならないというような状況は絶対避けたかったのです。
そこでしっかり実績があり、もし⼀度⽬の申請が却下されたとしてもプラン B,プラン C をしっかり考えてくれる⾏政書⼠さんにお願いした⽅がいいと思います。私達はインターオフィスさんにお願いして無事ビザを所得し現在、家族⼀緒に暮らしています。

ご依頼費用について

老親扶養ビザ取得の報酬は、はじめに着手金(返金不可)を頂き、許可された場合に成功報酬+実費を頂いております。

在留資格変更許可申請(老親扶養ビザ取得)着手金  121,000円(税込)
成功報酬 121,000円(税込)
在留期間更新許可申請(老親扶養ビザ延長)総額 55,000円(税込)
※親の年齢が65~69歳:総額+55,000円(在留資格変更許可申請の場合)
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