1 自分でする帰化申請方法
①帰化の条件を満たしているかをチェック
帰化の条件については、インターネットで調べれば、帰化条件に関する情報を手に入れることができます。行政書士などのサイトの情報を基に、帰化できるのかを判断される方が多いのですが、帰化条件はいくつもあり、意外と一部の条件を見逃しがちです。
また、家族構成や勤務状況によっても揃える書類が異なってくるので、条件をクリアしていると思っていても、家族の年金未払い等で帰化申請ができない場合もよくあります。
逆に、帰化条件を満たしていないと思っていても、簡易帰化によって実は条件を満たしていたということもよくあるので注意が必要です。
②法務局に相談
帰化の条件を満たしていると判断した場合は、次に法務局に相談することをお勧めします。
書類を長い時間かけて作成したのに、実は帰化条件を満たしていなかったという最悪の事態を避けるためです。
もっとも、法務局に相談に行く場合は予約が必要で、相談は平日しかできず、相談予約は法務局によっては1か月程度先になります。また、相談の内容は記録され、帰化に不利な影響を及ぼす可能性があることにも注意が必要です。
③書類の収集
法務局に行くと提出書類のリストがもらえます。もっとも、このリストはその人個人のために作られたものではなく、一般的なリストなので、帰化申請に慣れていないとどの書類が必要で、どの書類が不要なのか非常にわかりにくいでしょう。
また、日本の役所関係の書類取集は平日の日中に行わなければならず、1つの書類を取得するのに、1時間以上待たされるということもよくあります。また、収集する書類によっては、いくつもの役所を訪れる必要があるという場合もあります。
④書類の作成
次に書類の作成ですが、帰化申請はほとんどが書類審査であり、申請書類によって戸籍が作成さるので、手引きに従って正確かつ丁寧に作成していきます。外国語で書かれた書類については日本語翻訳も付けます。
手引きを確認しながらの作成となるので、時間がかかり、途中で帰化自体が面倒になってやめてしまうという方も多いです。当事務所にご依頼される方の中にも、「昔帰化しようとして書類は集めたけど、書類作成する時間がなくて途中であきらめた」という方は多いです。
この場合、集めた書類の多くは時間が経ってしまうと使用できなくなり、再度取得し直す必要が出てくるので、使用期間内に作成していきましょう。
⑤法務局に提出
申請書類ができたら、正本と正本をコピーした副本を作成し、法務局に提出します。
この際も、法務局への予約が必要になります。また、法務局によっては(さいたま地方法務局など)、申請受付けまでに最低2度行く必要があります。そのような法務局では、書類作成後の1度目は書類チェックだけで、2度目に受付けというシステムを取っています。1度目に書類の不足がなくても、1度目には受付けにならないので、最低でも2回行く必要があるのです。書類の不足があると、3度、4度と行く必要が出てきてしまうので、なるべく不足がないように準備しましょう。
なお、自分で作成した場合は、多くの場合不備があるので、2回行くことを必須としていない法務局でも書類チェックを経て、後日の申請をするよう勧められることが多いです。
したがって、自分で作成すると、書類作成が終わってから、受け付けまでに2、3か月かかってしまったということはよくあるようです。
申請の際には、申請書類に不足がないかをチェックする中で、書類の説明も求められます。書類の内容を把握し、取得がどうしてもできなかった書類についてはその理由も説明できるようにしておきましょう。
⑥審査
法務局での受理後、数か月後に担当官との面接があります。また、審査では勤務先への電話調査・現地調査やご自宅への訪問などをする場合があります。面接の時間は個人の状況によって1時間程度で済む場合もあれば、2回行われる場合もあります。
⑦結果の通知
申請してから約4か月~1年半後に許可・不許可の通知がなされます。中には2~3年かかる人もいるそうです。
2 行政書士に依頼する場合
①行政書士に帰化できるか相談
帰化を考えている場合は、まずは相談することをお勧めします。現時点で帰化の条件を満たしていない場合であっても、帰化の準備には時間を要するので、相談をして最短のタイミングで申請することが可能になります。
②書類の収集・作成
当事務所では、ご相談時にお聞きした内容からより詳しい状況をご依頼後にお聞きし、それに基づいて個人専用の必要書類リストをお渡しします。
したがって、そのリストにある書類だけを収集すればよいので、書類収集が無駄なく楽にできます。また、フルサポートプランでは、日本の役所関係の書類収集や韓国書類も任せられるので、平日に時間を使って書類を収集するという煩わしさからも解放されるというメリットがあります。
書類の作成に関しては、行政書士に任せればよいので、時間を有意義に使うことができます。
③法務局への申請
行政書士が作成している書類は信頼性が高いので、申請はスムーズに進み、法務局へは最低限の訪問で済みます。個人で作った書類の場合は、1回で受け付けとなることは難しいです。
また、行政書士が申請に同行した場合には、申請書類の説明を任せることができ、余計な心配をする必要がありません。
④審査
審査期間中に、法務局から本人に対して質問や追加書類の要求があった場合は、当事務所がご用意します。
⑤許可
このように行政書士に依頼すると許可までの労力はもちろん、申請までの時間も短くなり、結果として早く日本国籍を取得できます。
3 まとめ
ご自身のみで申請してしまうと、帰化に不利になる不用意な発言をしてしまったり、申請書類に不備が多いために、帰化の要件を満たしているにも関わらず、法務局の担当官に不審に思われて、不許可になってしまう場合があります。
帰化は人生においてとても重要なものです。万全の準備をするためにも、早めに専門家にご相談することをお勧めします。