国籍を持たない人を無国籍者といい、その原因は様々です。
例えば、国際結婚をして、配偶者の国籍を取得したと思って自らの国籍を離脱したのに、実際には国籍を取得できておらず、結果、無国籍となってしまった、国が独立する際に宗教や民族を理由に除外され無国籍になってしまったなどです。
では、このように様々な理由から無国籍になってしまった方が日本国籍を取得するにはどのようにすればよいのでしょうか。
無国籍から帰化申請方法
無国籍者が帰化申請をする方法としては、手続きの手違い等で途中から無国籍となった方は、かつての本国の国籍を再取得してからの日本国籍の帰化申請という方法も考えられます。
この方法では、国籍を取得してからの帰化申請となるため、無国籍の場合に比べ難易度は下がります。ただし、一度国籍を離脱していることで、本国書類を揃えられないというケースもあり、また時間もかかるため、日本国籍取得のために、かつての国籍を再取得するのは慎重に検討するべきでしょう。
一方で、かつての国籍に戻さず無国籍から直接日本へ帰化申請する場合や、生まれてからずっと無国籍の方の場合は、帰化申請にあたって無国籍であることを示す必要があります。
これは、無国籍でなければ本国書類の提出が必須となるからです。
無国籍であることの証明は、存在ないことを証明する、いわゆる「悪魔の証明」の面があり、難しいものになりますが、具体的には、かつて有していた国に国籍がないことや出生国に国籍がないことなどを示していきます。
国籍がないことを証明する公的な証明書が入手できない場合であっても、大使館等とのメールでのやり取りなどを提出することで、間接的に無国籍であることを説得することは可能です。
いずれにしても、無国籍者の場合は、無国籍の経緯や現在の状況によって、採るべき手段が異なってくるため、難易度はかなり高くなります。
帰化申請の際に無国籍と判明した場合
自分はA国の国籍を取得しているものと思って、在留資格を取得・更新してきたが、いざ帰化申請の書類を取得しようとした際に、国籍証明書が取得できず、無国籍であることが判明したというケースは珍しくありません。
この場合には、その経緯をしっかりと説明することが必要です。この際、実際は無国籍であるにもかかわらず、国籍があるものとして申請することは、虚偽申請となるので絶対にやめましょう。
まとめ
無国籍からの帰化申請はこのようにハードルはかなり上がります。しかし、無国籍だからといって、帰化ができないわけではありません。証明できることを証明して、必要であれば法務局との調整をしていけば、帰化申請は認められているので、諦めずに一度ご相談ください。